ツバメの巣に含まれるEGF含有量の検査報告

ツバメの巣は古くから美容によいとされてきました。ツバメの巣は唾液分泌物によって作られます。
一般的に動物の唾液の中にはEGFが含まれていることから、ツバメの巣にもEGFが含有されているのか、
という問い合わせが多くありましたので、検査いたしました。

タンパク質の定量には本来BCA法が用いられますが、製品中の極めて微量の検体を検査するには
適していない為、免疫測定法であるELISA法で検出し、その検査時のELISA法のシステム誤差数値を
計測、係数をかけることで実際のタンパク質量を計測しました。
*ELISA法は、不確定要素が多く、検査ごとにシステム誤差係数は変動します。
検体  ツバメの巣(白)
    ツバメの巣(赤)
    ツバメの巣のシロップ漬け

検査日 2008年9月28日
試薬名称 Human EGF Immunoassay (ヒトEGF 免疫測定)
検査方法 ELISA法
試薬メーカー R&D Systems

検査結果  
ツバメの巣(白)
ELISA法測定値 299.8pg/g
* システム誤差修正によるタンパク質量測定値 458.1pg/g

ツバメの巣(赤)
ELISA法測定値 653.2pg/g
* システム誤差修正によるタンパク質量測定値 998.1pg/g

ツバメの巣のシロップ漬け
ELISA法測定値 検出されず
* システム誤差修正によるタンパク質量測定値  未検出

* ELISA法による免疫活性測定値とBCA法によるたんぱく質の定量とはシステム上の誤差が出るため、
  同時にEGF試薬を検査し、その測定数値から今回の誤差係数1.528を割り出しました。

この結果、一般的な白いツバメの巣より、高級とされる赤いツバメの巣のほうがEGF含有量が 高いことが
分かりました。10gの赤いツバメの巣には約10ng(0.01μg)のEGFが含有されていることになります。
但し、検査内容はHumanEGFと一致するタンパク質量です。ツバメが哺乳類でなく鳥類であることから、
HumanEGFと一致しない他のEGFが含有されていると推測されます。

また、EGFの含有量が高いと謳っているツバメの巣のシロップ漬けにはEGFは検出されませんでした。
理由としては、加工時に殺菌消毒等、高温過熱したことでタンパク質が変質したか、もしくはツバメの巣が
最初から含有されていなかったかであると推測されます。

 
<参考>
1pgは、1gの1,000,000,000,000分の1
1ngは、1gの1,000,000,000分の1
1μgは、1gの1,000,000分の1
1mgは1gの1,000分の1

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