胎盤(プラセンタ)には多くのサイトカインが存在するというのが通説ですが、いろいろな文献を見ても実際に 試験をした報告がなかなか見つかりません。 生の胎盤を入手するのは保存のことも考えると非常に困難ですので、今回は、製剤や化粧品原料、健康食品原料として すでに製品化されたものを検証することにいたしました。 |
タンパク質の定量には本来BCA法が用いられますが、製品中の極めて微量の検体を検査するには
適していない為、 免疫測定法であるELISA法で検出し、比較対象としてタンパク質量がすでにわかっているEGF原料を同時に 検査することで誤差を調整することにしました。 |
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検体 | 1 ヒト由来プラセンタ製剤A |
2 ヒト由来プラセンタ製剤B | |
3 馬由来プラセンタエキス原料 | |
4 ブタ由来プラセンタエキス原料A | |
5 ブタ由来プラセンタエキス原料B | |
6 比較対象検体としてrhEGF原料(表示量1mg/ビン) |
検査日 | 2009年7月17日 |
検査場所 | 上海交通大学薬学院 |
試薬名称 | Human EGF Immunoassay (ヒトEGF 免疫測定) |
検査方法 | ELISA法 |
試薬メーカー | R&D Systems |
検査結果 |
1 ヒト由来プラセンタ製剤A | 検出限界以下 |
2 ヒト由来プラセンタ製剤B | 検出限界以下 |
3 馬由来プラセンタエキス原料 | 検出限界以下 |
4 ブタ由来プラセンタエキス原料A | 検出限界以下 |
5 ブタ由来プラセンタエキス原料B | 検出限界以下 |
6 比較対象検体としてrhEGF原料(表示量1mg/ビン) | 1.5mg/ビン |
*検出限界は3.9pg/mlで、検査時は200倍に希釈したものを使用しました。 |
結果考察 |
比較対象検体としてのrhEGF原料の結果が1.5mg/ビンであったので、ELISAの検査手順、方法に 問題はなかったと思われます。にもかかわらず、すべてのプラセンタからEGFが未検出であったのは、 本来胎盤自体に含有されているとされるEGFがもともと含有されていないか、もしくは製剤やエキス原料に 製品化される工程で加熱処理などがあり、そこでEGFが消滅したからだと考えられます。 |
<参考>
1pgは、1gの1,000,000,000,000分の1 1ngは、1gの1,000,000,000分の1 1μgは、1gの1,000,000分の1 1mgは、1gの1,000分の1 |
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