Q:表示名称「ヒトオリゴペプチド-1」は改正表示名称により使えなくなるのでしょうか?
A:いいえ、日本化粧品工業連合会はヒトオリゴペプチド-1をそのまま表示名称として使用してもよいという判断をしています。
FGF-1に対応する表示名称「ヒトオリゴペプチド-13」、FGF-7(KGF)に対応する表示名称「ヒトオリゴペプチド-5」も同様に使用可能です。
Q:旧表示の「ヒトオリゴペプチド-1」と新表示の「ヒト遺伝子組換オリゴペプチド-1」は全く同じものでしょうか。
A:いいえ、全く同じではありません。
INCIでは、ヒトオリゴペプチド-1は大腸菌に発現させたEGFですが、ヒト遺伝子組換オリゴペプチド-1は大腸菌、酵母あるいはCHO細胞に
発現させたEGFと定義されています。酵母あるいはCHO細胞に発現させたEGFは、アミノ酸配列は同一ですが糖鎖修飾されており、
大腸菌に発現させたEGFと厳密には同一ではありません。また、旧表示名称「ヒトオリゴペプチド-1/INCI名HumanOligopeptide-1」は、
新表示名称「ヒト遺伝子組換オリゴペプチド-1/INCI名rh-Oligopeptide-1」と「合成ヒト遺伝子組換オリゴペプチド-1/INCI名sh-Oligopeptide-1」に区分されます。
ヒト遺伝子組換オリゴペプチド-1は、ヒト細胞から直接単離したEGF遺伝子を使用しますが、合成ヒト遺伝子組換オリゴペプチド-1は、
人工的に複製した遺伝子を使用している点が異なります。FGF-1、FGF-7(KGF)も同様に、各々2つの表示名称/INCI名に区分されています。
Q:表示名称の異なるEGFで効果に差がありますか?
A:EGFには旧表示名称「ヒトオリゴペプチド-1/INCI名HumanOligopeptide-1」、新表示名称「ヒト遺伝子組換オリゴペプチド-1/INCI名rh-Oligopeptide-1」と
「合成ヒト遺伝子組換オリゴペプチド-1/INCI名sh-Oligopeptide-1」の3つが存在します。
ですが実際はHumanOligopeptide-1がrh-Oligopeptide-1とsh-Oligopeptide-1に区分され、INCI的には2種類存在することになります。
rh-Oligopeptide-1とsh-Oligopeptide-1は、ヒト細胞から直接単離したEGF遺伝子か、人工的に複製したEGF遺伝子かの違いであり、
大腸菌で産生されたEGFであれば、差はありません。ただし、各メーカーの技術力の差がありますので、濃度、生物学的活性、安全性データ等を確認する必要があります。
これは、FGF-1やFGF-7(KGF)にも同様に言えることです。
Q:合成ヒト遺伝子組換オリゴペプチド-1についての質問です。合成という言葉がついていますが、石油由来の化学合成品ということでしょうか。
A:違います。EGFを発現させる遺伝子を「人工的に複製して=合成して」大腸菌の遺伝子に組み込んでいるため、合成という言葉が使われていますが、
石油や天然ガスからできているわけではありません。
Q:ヒト遺伝子組換オリゴペプチド-1はヨーロッパなどでは化粧品への配合が禁止されていると聞きましたが本当ですか。
A:EU化粧品規制付属書II(化粧品配合禁止リスト)の416番に「Cells, tissues or products of human origin」(ヒト由来の細胞、組織または製品)というものが
2023年1月20日に掲載されました。
CosIngデータベース(COSmetic INGredients)にて、rh-Oligopeptide-1を検索すると、この416番に該当するということになっています。
https://ec.europa.eu/growth/tools-databases/cosing/details/84391
rh-Polypeptide-11、rh-Polypeptide-3も同様に416番に該当します。
よってrh-Oligopeptide-1、 rh-Polypeptide-11、rh-Polypeptide-3はEUで供給する化粧品に使用することはできません。
なお、sh-Oligopeptide-1、 sh-Polypeptide-11、sh-Polypeptide-3はEU化粧品規制付属書II(化粧品配合禁止リスト)に該当しません。
Q:日本EGF協会の認定基準は表示名称やINCIの違いによって差はありますか?
A:基本的にはありません。例えばEGFであれば、表示名称がヒトオリゴペプチド-1、ヒト遺伝子組換オリゴペプチド-1、合成ヒト遺伝子組換オリゴペプチド-1のどれであっても、
濃度、生物学的活性、安全性データ等を同一基準で確認し認定いたします。
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